日本人には、がん死はあまり歓迎されません。がんイコール強烈に痛むと連想されるからです。
けれども、すべてのがんが強烈に痛むわけではありません。さんざんがんを痛めつけても、痛むのは7割程度といわれています。つまり、裏を返せば、3人に一人は痛まないわけです。
中略
「集い」を始めた頃、ある山村からの参加者が、3人の近親者ががんで亡くなったが、幸い、発見が遅れて手の施しようがなく、医療の「魔の手」から逃れたため、いずれも穏やかな死だったという例を紹介してくれました。
こういう姿を目のあたりにした人は、決してがんを恐れないのです。そして、ああいう死に方ができるなら、がんも悪くないといっていました。
私も以前から、がんで痛みが出るのは、放射線を浴びたり、猛毒の抗がん剤で中途半端に痛めつけたりするせいではないか。完全に根絶やしにできるならともかく、残党が存在する以上、身内を殺された恨みで、復讐に出てもあたりまえと思っていました。
今はそれが、確信に変わっています。
「大往生したけりゃ医療とかかわるな」 中村仁一著 医師
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