笑うことの治療効果については、最近、日本でも、学術的な研究が行われだしました。
日本医科大学第一病院リュウマチ科の吉野真一教授らのグループは、かねてより、慢性関節リュウマチの患者の痛みとその患者の精神状態に密接な関係があることに着目、それを調べるために、あることを行いました。
何を行ったと思いますか?
中程度から、重症までの慢性関節リュウマチの女性患者26人を集め、1時間落語を聴かせ、大いに笑ってもらったのです。そのとき、病院に招かれた落語家は、林家木九蔵さんでした。そして、落語をきく前と後で、患者さんから血液を採取し、ホルモンと免疫の状態を調べてのです。
木九蔵さんの落語もうまかったのでしょうか。結果は驚くなかれ、たった1時間落語をきいただけで、患者26人中20人の痛みが大きく和らいだばかりか、落語の後で採取した血液の質にも大きな変化があったのです!
すなわち、検査の結果、笑うことで炎症を悪化させる物質が、血中で大幅に減少し、炎症を抑えるホルモンが一段と体内で消費されたらしいというデータが明らかになったのです。
「きっと、治る 生きるよろこびが体を癒す」 大塚晃志郎著 PHP研究所 より抜粋
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