コレストロールと心血管系疾患は無関係
別の調査では、脂質異常症の人のほうが、脳卒中による死亡率が低く、症状も軽いという結果が出ています。
つまり、コレストロールは高くても大丈夫ということです。
したがって「悪玉」というLDL-Cの俗称は濡れ衣だといえるでしょう。
LDL-Cは、悪玉ではなく体にとって最も必要なコレストロールなのです。
また、最近では薬でLDL-Cを下げても、心血管系疾患を防げないことがわかってきました。
血管には持続する炎症があり、LDL-Cが高すぎる場合には心筋梗塞の発症率は米国人の3分の1程度。
女性は男性の半分です。
しかも、日本人で心筋梗塞死亡率が上昇するのは70歳以上。
コレストロールとの関係は少ないのです。
副作用の強いコレストロール低下剤を使ってLDL-Cを下げても、心血管系疾患を防げるという根拠はまったくありません。
大櫛陽一 東海大学医学部教授
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